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MATERIAL

MATERIALはじめに

You Tubeなどの動画サイトで自分の目標としているトリックを見ていると、彼らのセッティングが気になったりします。スノーボードの自分のセッティングがおかしいからトリックがうまくメイクできないのではないか..そんなことを考えたりする時があると思います。

実際は技術不足による所が大きく、そのトリックができるようになると、どんなセッティングでもメイク可能であることに気が付きます。スノーボードのセッティングでグラトリの上達やスタイルに変化があることも事実だと思いますが、スタンスアングルを1°変更したから、ハイバックローテーションを再調整したからといって技術が格段に上がることはありません。

ここでは我々がこれまで実際にライディングしてきた経験から、グラトリに最適と思われるセッティングを紹介したいと思います。

Q&A一覧

hajimeni

SNOWBOARDスノーボード

snowboard

グラトリに適した板ですが、一般的にソフトフレックス、つまり「軟らかめ」が好まれる傾向にあります。グラウンドトリックはそのほとんどが、板の強い反発を必要としています。容易にたわませることができる板の方が、反発を得やすく、結果高さや高回転が期待できます。当チームでは、011 ARTISTICのスノーボードを好んで使用しておりますが、他メーカーの板でも類似のスペックなら同様のトリックが可能と考えております。

スノーボードの板は一般的に、硬い=高額、軟らかい=安価である傾向にあります。故に必ずしも高額な板がグラトリに適しているとは限りません。板の価格に捉われず自分の目的に合った板を選択するのが、良いマテリアル選びだと思います。最近はツインチップの板が多く登場しております。レギュラースタンスとフェイキースタンスを頻回にスイッチするグランドトリックにおいては、前後対称なツインチップ形状は大きなアドバンテージになります。一方、ある程度のスキルを身につけるようになると同じトリックでも、より高速で、より複雑な場所でもメイク可能となってきます。これまでの板のスペックでは十分な反発を得られなくなり、より強い反発を必要とする場面に度々遭遇してしまう。こう感じ始めたら、ある程度硬い板の方がベターだと思います。しかし、硬めの板は緩斜・低速でのトリックに対しては、やはり不向きですので、板を変えた途端に調子が狂ってしまい、得意技以外メイクできなくなってしまうこともあります。

プレス、ノーリー、オーリー等それぞれが自分の目標とする領域に達するまでは、比較的軟らかめの板に乗り続けることが上達への近道だと思います。

BINDINGビンディング

当チームでは、主にFLUXとBURTONのビンディングを好んで使用しています。どちらも非常に良いもので、優劣は付け難く、好みの問題となると思います。FLUXのビンディングはハイバックがいわゆる”ガン立ち”のプリセットで、背丈が若干低い印象でした。グラトリではアンディ、オーリー、ノーリーブラインド系のスピンには軸が取り易く、有利な印象でした。一方BURTONはハイバックが高く、やや傾斜がついている印象でカービングターンの際の角づけが有利な印象でした。

グランドトリックのビンディング選びは、自分がなりたいスタンスを考えることが重要だと思います。プレスやマニュアル、ボックスやレール、ストリートでの使用を考えている場合は、少し遊びがある柔らかめのビンディングをお勧めします。

高速でのフリーランや720以上の高回転での使用を考えている場合は”硬め”のもの選択する方がベターだと思います。足回りが硬い方が、雪面の情報が体に伝わりやすく、反応もクイックになると思います。

binding

BOOTSブーツ

boots

グラトリに限らず、ビンディングとブーツは同じメーカーの物を使用するのが間違い無いと思います。各メーカーは独自の開発技術で先進的なシステムを導入しています。同じメーカーのブーツとビンディングの組み合わせなら、両者のポテンシャルを充分に発揮できるからです。異なるメーカーの組み合わせでは、見た目は良くても相性自体が悪く、うまくフィットしないことがあります。とはいえ異なるメーカーのものでも相性の非常に良い組み合わせがあるのも事実で、ひとくくりにはできませんが…

当チームでは、ブーツはBURTON、COBRA WORXを好んで使用しております。但し、FLUXのビンディングとBURTONのブーツは相性があまり良くない印象でした。異なるメーカーの組み合わせでビンディングとブーツを選ぶ際には充分な下調べが必要です。以下のサイトに全メーカーではありませんが、ビンディングとブーツのマッチングテストの結果が公表されております。

マッチングテストの詳細

SETTINGセッティング

マテリアルのセッティングは、グラトリに限らずスノーボードでは大切なことですが、それ以上に技術が大切と考えます。セッティングを変更したことで練習していたトリックが急に出来る様になることはありません。それよりも始めに決めたセッティングで板に乗り続け練習することが、上達への近道だと思います。頻回にセッティングを変えると、体がセッティングの変更に慣れるまでに時間がかかり、かえって上達の妨げになってしまいます。

setting

スタンス幅

両ビンディングまでの距離を言います。広めにセッティングすれば安定性は高まりますが、広すぎると滑りにくくなります。基本は肩幅と言われております。一般にパークメインのフリースタイルボーダーはやや広めに、鋭いカービングターンで滑走重視のボーダーは狭めにセットしている場合が多いと思います。

グラトリに対しては、身長や板の長さでかなりの差が出てしまうと思いますが、極端に狭くセッティングしなければ、特にナーバスになる必要はないと思います。56cm前後に設定しております。

セットバック

スタンス幅で決定した両ビンディングの距離をボードのどの位置に固定するかがセットバックです。常に後傾姿勢で滑走しなければならないパウダーランや繊細なボードコントロールが要求されるカービングターンをメインとするボーダーは、ビンディングをボードのセンターより後ろにずらしてセットするのが一般的ですが、ことグラトリに関しては、センターで異論はないと思います。

先述のようにレギュラースタンスとフェイキースタンスを頻回にスイッチするグランドトリックは、左右のバランスが出来るだけ同じ方が違和感なくトリックが可能だからです。一つの技をフェイキースタンスで練習する際にもセッティングが鏡面に近ければイメージもつきやすいと思います。

スタンスアングル

ビンディングの、板に対する角度がスタンスアングルです。この調整でガニ股になるか両足前向きになるかが決まります。初心者は両足前向きでセットするのが一般的ですが、グラトリに対してはガニ股いわるゆる”ダックスタンス”でこちらも異論はないと思われます。前足(+15~27°)、後足(-8~18°)の範囲で設定しております。

フォワードリーン

ハイバックの垂直方向の角度調整を指します。この角度によって重心の位置が影響される為、セッティングにはナーバスになります。少し角度をつけるとノーリーがしやすくなるといった声もありますが、オーリー系(アンディやノーリーブラインド)に関しては軸が取れなくなってしまい、危険です。ある程度のレベルに達するまでは、角度は付けないほうがいいと思います。

ハイバックローテーション

ハイバックをボードのエッジに対して平行にセッティングすることを指します。ハイバックローテーションを行うことによってヒールターンの際に力が効率的にボードに伝わると言われております。グラトリに対してはこちらもあまりナーバスになる必要は無いと思いますが、余力があれば調整してみても良いかもしれません。